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煙突の見える場所
評価:
椎名麟三,小国英雄
バップ
¥ 3,526
(2005-09-22)

監督:五所平之助
出演:上原謙
   田中絹代
   高峰秀子
   芥川比呂志
音楽:芥川也寸志
原作:椎名麟三

 

   * * *

新東宝の昭和28年の作品である。 
この作品は敗戦から7、8年後の日本の暮らしを切り取っていると見ることもできる。
そう考えるとスクリーンに映っている人たちが60年後に日本がこうなっていることを誰が想像しただろう。

主な登場人物は4人。
上原謙と田中絹代が夫婦である。上原謙がまるで彫刻のように美しい顔をしている。それに比べて田中絹代はふつうのおばさんにしか見えず、田中絹代と知らなければどうして主演女優が彼女なのかがわからない。
夫婦はバラックよりはマシな程度の木造2階建ての一軒家に住んでいる。
2階は高峰秀子と芥川比呂志が一部屋ずつ借りている。
赤の他人である男女が襖一枚で暮らしているということだ。
今では考えられない。当然だと思うが風呂もない。
また映像から想像するに家電というものが出てこない。電気を使用しているのは部屋の天井中央に一灯だけついている裸電球だけ。
60Wか100Wかの白熱球ひとつで部屋を照らしているだけ。

また、上原謙夫婦が住む家の隣家が新興宗教の教祖の家と縁側でラジオを組み立てている子供が7人もいる家族。
上原謙は奴足袋(やっこたび)という足袋屋さんの従業員。道路は舗装されておらず、ラーメン屋のワンタン麺が70円。そして高峰秀子が商店街の一室でライブCMを放送している女性。こんな仕事があったのだ、と物語の外で発見の連続の映画でもある。

さて、気になるタイトルも時代の象徴である。
火力発電所の4本の煙突が見る方向によって3本に見える場所もあれば2本に見える場所もある。そして、幾何学的に不思議で謎のままであるが1本に重なって見える場所もある。
ものの見方の多面性を当時の現代社会の動力源となっている発電所の煙突というものになぞらえているのも文学的で面白い。
もちろん、今ではそんな煙突なんか見えないほど都市化しているということも当時の風俗を知る上で興味深い。


こんなサイト見つけた
http://homepage2.nifty.com/cineyoso/entotsunomierubasho.html
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